2016年03月29日

野坂昭如の「山の上ホテル事件」

これは、かつて長年にわたって雑誌『話の特集』の編集長をされていたフリージャーナリストの矢崎泰久(やざきやすひさ)氏が、その著書の中で披露している、故野坂昭如(のさかあきゆき)氏のエピソード。

野坂昭如という作家、とにかく原稿を書くのが遅かったそうです。
矢崎さんによれば、遅筆作家のベスト3は、1位野坂昭如、2位井上ひさし 3位色川武大だそうで、あの遅筆で有名だった井上ひさし氏よりも遅いというのですからなかなかのもの。
笑えるのは、この野坂、井上の両名、原稿が書けないと、あの手この手のウソを考えてきて、矢崎さんはある意味、それが楽しみだったのだとか。

あるときのこと。
原稿を待つ矢崎さんにかかってきた野坂さんからの電話。

「今、お茶の水の山の上ホテルでカンヅメになっています。どうしても書けないので6階から飛び降り自殺することにした。原稿は諦めてください。さようなら」

これを聞いた矢崎さんは手慣れたもの。
死ぬ勇気なんてあるはずがないと瞬時に見抜いて、こう応じます。

「死体の確認に行くから、どうぞ飛び降りてください」

そうと伝えて、すぐにタクシーでホテルに向かったのです。
野坂さんがいる部屋へ行ってみるとドアは開いたまま。
入っていくと野坂さん、悠然としてタバコを吸っているではありませんか。
そして、矢崎さんの顔を見ると、しれっとして、こう言ったのだそうです。

「不思議なことに急に書けた」

まったく人騒がせ。
しかし、矢崎さんはそんな野坂昭如のことがどうしても憎めなかったのだそうです。

「山の上ホテルにカンヅメ」というあたりが、実にどうもひと昔前の作家っぽくてイイですね。
現代とは違って、趣(おもむ)きがあります。
(参考『人生は喜劇だ』矢崎泰久著 飛鳥新社)


というわけで、
ではまた。

今日があなたにとって、よい1日でありますように。


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posted by チャーニー at 09:01| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする